DRAGON QUEST6外伝 モンストル英雄伝説4

 

アモスはようやく自分の家にたどり着いた。と、隣の幼馴染の男が外でアモスの飼い犬と遊んでいた。


「ワンワンワンッ!!」
「よぉアモス!」
「おお!昨日は…なんだか悪かったね…」
「そんなこと気にすんなよ!!アモッさんようっ!!おめぇはこの町の英雄なんだからさ!!」
「英雄だなんて…ちょっと待ってくれよ!…恥ずかしいじゃないか…まぁ入ってくれよ、それと、犬預かってくれてたんだね。ありがとう」
少し謙虚なアモスは、町のみんなに『あなたは英雄だ』などと色々言われて、少し戸惑っているようだ。
『わたしは、ただのこの町の住民なのにな…』

「で、アモス、傷のほうはもう大丈夫なのか?」
「大丈夫、神父さんが昨日の夜に付きっ切りで手当てしてくれたから…まぁ一カ所を除いて…」
「一ヶ所?」
「神父さんの、べホマでも直らない…ヤツは、死ぬ寸前にわたしの腰あたりに噛み付いたんだ…

そのあたりだけまだ傷もふさがらないし、結構痛むんだけどね…」
と言うと、窓から外の景色に目を移した。
「そうなのかい…もう、モンストラーは居ないし、ゆっくりと治せばいいぜ!またお前が剣を振ってる姿みたいからさ!」
「そうだな…治れば…だけどね…」
「モンストラーをやっつけたヤツが何弱気になってんだよ!!お前、まだ疲れてるみたいだから俺はこれで失礼するよ!」
「お…っ…ちょっと…」
アモスが止める暇も無く、そう言うと男は帰っていってしまった。


 アモスはまだ痛んでくる傷跡を癒すべく、少しだけ体を休めるためベッドに向かった。横になると傷の部分が傷んでくる。

しかし急に眠気が襲ってきたようでいつの間にか眠ってしまっていた。
いつの間にか夜になり、昨晩モンストラーが現れた時間になっていた。しかし、そのときとは正反対の静けさに包まれているモンストルの町。

昨日とほぼ同じ満月が空に輝いていた。



『うわぁぁぁぁぁぁっ!!!!!ぐはぁぁぁぁぁぁ!!!ぐおぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!』



平和になったはずのモンストルの町に突然謎の雄叫びがこだまする。それはアモスの家の方からだった。

その声を聞きつけた幼馴染の男、近所の住民、教会の神父らがアモスの家に駆けつけてきた。
「こ…この声は…アモスさんの声ですな?」
「ああ…アモスのヤツどうしたんだ…?」
神父と男がドアを開けようとしたとき、手で頭を掻き毟り、狂ったかのように叫び続けるアモスが飛び出してきたのだ。
「おい!!!アモス!!どうしたんだよ!!??」
しかしアモスにその声は聞こえていない。
「ガルルルル…グルルルルル…」
アモスの声がどんどん魔物のような恐ろしい唸り声に変わってゆく。その瞬間、アモスの体までもが魔物のような姿に変化していったのだ。

手や足には鋭い爪が生え、口からは鋭い牙が生え、体がどんどん大きく変形してゆく。その姿はモンストラーそのものだった。
「モ…モンストラーだ…!!ア…アモスが…モンストラーになっちまった!!」
「ま…まさかアモスさんが!!あのことは本当だった見たいですね…」
「神父さん…それは、どういうことなんだ?」
「これはわたしが、この地にやってくる前の話です。ここからはるか遠く…

船で半年以上掛かる、違う国のある町で神父になるため、その国で一番大きな大聖堂で僧侶として働いていました。そこで聞いた話です」

その町に昔、今から数千年前この町と同じくモンストラーのような魔物が、やってきてはそのたびに人々はおびえ続けていました。
しかしある日、アモスさんのようにその魔物に勇敢に立ち向かい、死闘を征した勇者が居たそうです。
しかしその勇者は戦闘の際、生き絶える寸前の魔物に体を噛まれ、その翌日から倒した魔物に変身しまうようになったのです。

なぜそうなったかと言うと、魔物が死ぬ前に、その勇者を噛んだとき、魔物は自分の魂に怨念を込め、彼の体に送り込んからだそうです。
その後、彼はその魔物の魂に精神(魂)ごと乗っ取られてしまい、理性を保つことがでることがほぼ不可能になり…最後には…自らの手で…


「まるっきりアモスと同じじゃねぇか!」
「だからきっとアモスさんも…同じ理由でああなってしまったのでしょう…」
「そういえば、アモスも神父さんのべホマでも治らないって言う傷があるって言ってたな…

モンストラーが死ぬ前に噛んだらしい…治す…治す方法は無いのかよ?」
「一つだけあります。北の山の山頂に生えているという理性の草に実るという理性の種といわれるものを飲ませば…

常に理性を保て、魔物に変化しなくなると言われています。運良くここは北の山に近い場所に栄えた町です。

数千年前のあの勇者は、理性の種が手に入る前に…でも…あそこには強力な魔物が住んでいます。
アモスさんほどの戦士でないと…あそこに行くことは不可能でしょう…」
「クソッ…俺たちはアモスが魔物に体を乗っ取られて行く姿を黙って見る事しかできねぇのかよ…」
「もし…ムドーを倒したという勇者たちが立ち寄ってくれたなら…

しかし、このことをここの住民以外にもらすわけには行くまい…おお神よ…どうすればよいのでしょうか…!」


魔物に変化したアモスの前で、神父と幼馴染の男、近所の住民は再び町を破壊するアモスであるモンストラーになす術が無かった。

 

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