DRAGON QUEST6外伝 モンストル英雄伝説7
ズシン…ズシン…ズシン…ビビビビッ…ビビビビッ…グラグラグラ…
「はっ!!な…なんだ!?この揺れは?」
チャモロが目覚める。めがねをはずしていたので、ランプの光しかない、ほぼ真っ暗な景色が余計ぼやけて見える。
直ちにめがねをかけるチャモロ。
「う〜ん…この揺れは…何かしら…?」
「あっ、ミレーユさん!こ…これは、地震ですよ!!早くロエルさんとハッサンさんを!」
「そうね…あれ?彼らもう居ないから、起きてるみたいよ」
「ありゃっ…本当ですか?」
急いで部屋を出てフロント方面へ駆け出す二人。そこではロエルとハッサンが宿屋の主人たちとなにやら話していた。
「お客さん!本当になんでもないんですって!!しばらくたてば、この地震は収まりますから…!お部屋に戻ってお休みください!!」
「だからなんで、ただの地震なのに外に出してくんないの!?外に何かあるのか!?」
再び怒鳴り声を上げるハッサン。宿屋の入り口の前で、意地でも動かないという風な宿屋の主人。
「ハッサンさん、もう諦めましょうよ…彼、きっと退いてくれませんよ…」
「おい、チャモロ!!何でそんな事言うんだよ!俺は諦めないぜ!!」
そういったハッサンにチャモロはその直後、耳打ちをした。ほかの二人にも同じく。
「ぼくに、いい考えがあるんです」
それを聞いたハッサンは再び落ち着き、皆で部屋に戻る振りをして廊下の突き当たりに行くようチャモロが誘導した。
「こ…これは…階段だ!!」
「ぼくがさっき、見つけた屋上へ行く階段です。そこにある樽の上にロープがあって、それを使えば外に出られるはずです」
「おお!!やるじゃんチャモロ!!さすがゲントの長老のお・孫・さ・ん」
バチッ!!
チャモロの体が少し前進する。
「あいたっ!!!何するんですかぁ!!」
涙を浮かべながらハッサンにこう言い放ったチャモロ。
ハッサンはチャモロの背中をポンと叩いた…つもりだったのだが彼の怪力では"ポン"なんていうかわいいものにはならなかった。
「あははははっ!わりぃわりぃ!」
『ったく…反省してるんでしょうかこの人は…』
そんなこともありつつ屋上に向かう4人。すでに装備などはばっちりだった。
チャモロの言うとおり一本のロープがあり、それを落下防止の柵に括り、壁伝いに外に脱出することに成功した。
地響きは町の中心からしているようだ。そう、あの教会の辺り。四人は駆け足でそこに向かっていった…
ようやく教会周辺にやってきたが、なにやら得体の知れないものの唸り声が聴こえる。そしてそこに居たのは…
「うわっ!!!…これってもしかして…この地震の原因は…」
「ああ…自然発生のものじゃなさそうだぜ!」
ただちに戦闘態勢に入る4人。そう、そこには月の光に照らされた、今まで同じ種族は見たことの無い、
大きな獣のようなモンスターが地震を発生させていたのだ。その鋭い歯は口から飛び出しており、頭から尾の部分まで、勇ましい鬣が生えている。
ロエルたちを見てかいっそう激しく唸り声を上げる。
パーティリーダーであるロエルは落ち着いて仲間たちに指示を出す。
「こいつが何者であれ、魔物に違いない!よし!ミレーユ!全員にスクルトを!!ぼくは、力ためをして攻撃する!」
「わかったわ!」
「じゃあハッサン!きみは一応正拳突きを!」
「おっしゃ!!まかせとけっ!」
「チャモロはバギマで攻撃を!」
「了解です!!」
目の前に現れた魔物の目は殺気を帯び、赤く不気味に光っている。
力を溜めるロエル。そしてスクルトで守備力を上げるミレーユ。チャモロはバギマを唱えた。渦を巻いた激しい竜巻が魔物に直撃する!
がしかしダメージ量は思ったよりも少なかったようで、切り傷が少しできた程度だった。
「うう…バギ系は効かないみたいですね…」
そしてハッサンの正拳突き!しかしよけられてしまった。
「クソッ!!」
次は魔物の攻撃。足を踏み鳴らし地震を発生させる。全員に40くらいのダメージ。
ダメージを受けたが、落ち着きを保ち、力を溜めたロエルは指示を出し続ける。
「よし!ハッサン!次は普通の攻撃を!ミレーユはチャモロにスカラを!チャモロはゲントの杖で、ミレーユに回復を!」
力を溜めたロエルは魔物に切りつける。攻撃力も2倍ほどになり、魔物に80ほどのダメージ。魔物のほうもかなり痛かったのか、声を上げる。
その後、戦いは丑三つ時まで続き、後一歩で魔物の息の根を止めるところまでやってきた。が、そのとき…
その戦いの音を聴きつけた教会の神父、幼馴染の男スコット、そして消えた旅人たちを不思議に思いここに駆けつけた宿屋の主人が現れ、
なんと魔物の前に立ちはだかったのだ!
「…!」
頭の中で?マークがめぐる四人。
「き…きみたちは!!昼間、アモスの家に来てた…!!止めてくれ!!どうか…どうかこいつを…!!!殺さないでくれ!!
お願いだ!!頼むよ…!!こいつは…こいつの正体は、実は…!!!!」
涙を浮かべながら頼み込むスコット。魔物の目からも一筋の涙が零れ落ちた。それはキラキラと月の光に反射して、記念碑の上に零れ落ちた。
とその瞬間だった、なんと魔物は見る見るうちに小さくなって、一人の血まみれの男に変化したのだ。
男は力なくその場でばたりと音を立てて倒れこんだ。
『アモス!!!』
四人が叫んだ。そう、地震の原因そして魔物の正体はアモスだったのだ。
何が起きたのかがつかめない4人をよそに、ベホマを唱え懸命に治療をする神父とアモスに水をかけるスコット。傷は消えたが意識は戻らない。
「神父さん!!早くアモスを家に!!」
「そうですな!」
二人はアモスの腕を肩で組んで足早にこの場を立ち去った。とそこに宿屋の主人が近づいてきた。
「旅の方!あれだけ外に出てはいけないと言ったのに…屋上から出たんだね…
あなたたちがムドーを倒したってのは、見た感じからしてわかってたよ…だから泊めたくなかったのさ…
そう、あの魔物は何を隠そうアモスさんだ…詳しくは明日お話しましょう。今夜はもう彼がああなることは無いでしょう。さぁ宿に戻りましょう」
まだ状況判断がうまくできない四人だが魔物の正体がアモスだということだけは理解できたが、
明日宿屋の主人が詳しく話をしてくれるということで、宿に戻り、床に就いたとたん、彼らは夢の世界へと旅立った。