メダパニダンスにさえ打ち勝つ英雄(主人公&アモス)

 

 ここはアモール近くの不思議な洞窟。

伝説の盾であるスフィーダの盾は、この洞窟に眠って居た。ここへは船でしか来ることは出来ない。しかし洞窟内は狭いので、馬車は入り込めない。

今日は、残りの宝箱をすべて発見するためロエル、アモスの二人が入ることになった。

この中には、冒険者を簡単には進めなくする仕掛けもあり、メダパニダンスが恐ろしいイーブルフライ、

痛恨の一撃を繰り出すトロル、ドラゴンソルジャー、ハイオーク、マホトーンを使うダークホーンなど、

はじめてやってきたときは強敵ぞろいだった。今となっては補助呪文が無くとも特に恐れる敵ではない。

 

「えーっと…ここは、こう行って…あー!!わかんなくなってきた!」

 

ロエルはボリボリと頭を掻いている。彼は記憶をたどりながら、正しい方向へと歩き続けている。

足を進めてはいたが、ここでどちらで曲がるのか忘れてしまったようだ。

でも一緒にやってきたのが、記憶力も良く色々と頼りになるアモスなので安心だ。

 

「毎回思いますが、この洞窟、完璧な仕掛けですよね。そうそう、それとここは右に曲がるはずですよ」

「あっ…ごめんなさい…ぼくが先頭なのに…アモスさんもそう思いますかここの洞窟?」

「ええ。今のわたしたちでは、ここに出てくる魔物も特に恐れはしませんが、初めてやってきたときは…

そんな事気にしなくても良いですよ。ロエルくんは立派なリーダーだと思ってますから」

「アモスさん…」

 

やさしい笑顔でそう言ったアモス。

ロエルも笑顔で返す。この頃、ロエルの心にはパーティリーダーとして少し迷いがあったが、彼の一言で少し救われるのであった。

 

 二人の声が無人の洞窟に響き渡っている。歩くたびに彼らの靴音も反響する。

壁に取り付けられている、ランプの火と上部の隙間から差し込む外の光だけが、行く先を照らしている。

 

 彼らがようやく地下へと下りる階段を見つけたときだった。前方から巨大な何者かが歩く音、そしてバサバサと、言う何かが羽ばたく音…

 

 

イーブルフライがあらわれた!

トロルがあらわれた!

 

 

イーブルフライ二匹、トロル二匹が前方から現れた。

イーブルフライはメダパニダンスが怖いが、ロエルのとび膝蹴りで倒せるのでそれほど怖くない。

 

まずロエルの攻撃。イーブルフライAをとび膝蹴りで倒す。

そしてアモスが攻撃しようとしたのだが、イーブルフライBが先にメダパニダンスを踊ってしまったのだ!

 

「げっ!!まずい!!…」

「へぇっ?あれ?俺はここで何をやってるんだ?…ふんっ!この野郎!お前が敵か!?

村の英雄であるこの俺様が相手になってやる!!!おりゃーっ!!!おりゃーっ!!」

 

ロエルの言葉もむなしくアモスは混乱してしまった。

おまけに、当たる見込みも無く攻撃力+105の吹雪の剣を振り回している。

そして普段のアモスが言うとは思えない、大胆な言葉を発している。

 

「アモスさん!!…こうなれば仕方ない…ぼくが一人で魔物を…アモスさんに攻撃されないよう注意しないと」

 

そう思って注意深くしていたときだった、なんとアモスが、イーブルフライに近づいていった。そしてイーブルフライの尾の部分を片手でわしづかみした!

 

「なっ…アモスさん!!何やってるんですか!!」

 

アモスには聴こえていない。

 

「俺様の強さを見せてやる!!ふはははははははっ!!おりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

ピューン

 

アモスはイーブルフライをぶんぶんと振り回し、遠くへ飛ばしてしまったのだ。

ロエルは呆然と立ち尽くしている。しかしまだアモスの混乱は続いている。

 

トロルAへの攻撃、トロルAを正拳突きでやっつけ長期戦を避けようとしているが、二匹居るので一発では倒せない。

そして混乱したアモスの攻撃。

ロエルは攻撃されないよう注意する。しかしアモスは先ほどと同じように、トロルへ近づいてゆく。トロルのほうも少し驚いた顔だ。

トロルは小屋のように巨大な魔物。しかしアモスは混乱しつつも力を込めトロルを持ち上げた!

 

「むっ…おりゃぁぁぁぁぁ!!お前もこの俺様の強さが知りたいか!!ふぬっ…ぬおぉおぉぉぉぉぉぉっ!!」

 

ロエルは口をあけすぎて、顎が外れそうだった。いや、外れる寸前だ。

アモスはまるで巨大な岩石を遠くへ放り投げるようにトロルをイーブルフライ同様投げ飛ばした。

 

 

ビューン…

 

 

まもののむれをやっつけた!

 

 

アモスは戦闘が終わった後、われに返ったようだ。

 

「はっ!わたしは何を…?ロエルくん、イーブルフライと、トロルは?」

「あはははは…倒せましたよ…アモスさんのおかげで…」

「わたしのおかげ?良く解らないのですが…わたしが混乱してその後…」

「アモスさんが一心不乱に突き飛ばしてくれたおかげで、イーブルフライも、トロルも楽に倒せました」

「本当ですか?」

 

ロエルはアモスに本当のことを言わなかった。きっと彼は、自分があんな言動をしていたと言うことを知ってしまえばショックを受けてしまうだろうと。

ロエル本人もあの、謙虚で自分の力を誇示しないアモスがあんな言動をしていたことにかなり驚いているようだ。

と、ともに人格は変わるが、アモスは混乱しても敵を攻撃し、仲間は決して傷つけないと言う"心の底からの真の英雄"なのだと言う一面を垣間見ることが出来た。

 

 少し進むとようやく地下への階段の所にたどり着いた。彼らの冒険はまだまだ続く。

 

 

 

--あとがき--

日記に書いたアモス混乱ネタ。普段は丁寧謙虚なアモスも、混乱すれば人格が変わるような気がして…

アモスさんは、混乱すると、自分も仲間も傷つけないんです。

メダパニトカゲのメダパニのときは、敵に体当たりしました。本当に自己犠牲な人です。

わたしは知らないんですが、AI戦闘にすると、アモスがメガザルやメガザルダンスを覚えていたりしたら、

パーティが危機の場合自ら発動させるみたいです…

アモッさんって素晴らしいな…彼は自らメガンテの腕輪やメガザルの腕輪付けそうなイメージがあります。

2007年01月05日(金)の日記より

 

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